2月末に完成した醸造所。3月に続々と搬入された醸造設備。
気が付けばもう、4月も終わる。
じっくりパソコンに向かう時間がなく過ぎてしまっていましたが、税務署と保健所の現地確認を終え、しばし「待ち」の状態になった今。
再放送のNHKドラマ『マッサン』第14週を見ながら、今を見つめる時間をとりました。

こんにちは。
高知県日高村の「醸造所の社長」こと、さきちゃんです。
私たちは今、高知でスコティッシュビール醸造所の立ち上げ真っ最中です(2026年4月現在)。
本連載『聞いてや、マッサン!』では、現在(2025年12月末~)再放送中のドラマ『マッサン』のストーリーを出発点に、今まさに進行している私たちの醸造所づくりの裏側を等身大でお届けします。
第14週のテーマは、「夫の両親との関係」。
設備の搬入が始まってから大忙しの中、スコットランドからサポートに来てくれている義母と義父について、記録します。
第14週『渡る世間に鬼はない』

(あらすじ)
広島で姑・早苗の看病に励むエリーは、本音を語り合う中でついに心を通わせる。一方、北海道で営業中のマッサンは、ニシン漁の親方・熊虎と出会い、余市の地に理想の醸造環境を見出す。早苗の最期が迫る中、エリーは花嫁衣装に身を包み、早苗から「日本一の嫁」と認められ、駆けつけたマッサンと涙の別れを告げる。
出典:NHKアーカイブス『マッサン』番組内容
ドラマ『マッサン』では、要所要所で母と息子(マッサン)、姑と嫁(エリー)のシーンが出てきます。泉ピン子さん演じる早苗の、あの嫌味な感じは、見ていてちょっと癖になりますね。
それもこの週で終わりかと思うと、ちょっと寂しいな。
「お前のつくったウイスキーは、まずい」
早苗が最後にマッサンに残したこの言葉は、マッサンへの早苗らしい激励だったと思います。
夫の両親は頼れるサポーター
4月現在、醸造所の設備搬入や設置に合わせて2か月半ほど我が家に滞在してくれている、お義父さんとお義母さん。
食事の準備、買い物、食器洗い、洗濯、子供の相手と、家のことをほとんどやってくれています。
二人が毎日飲む食後のミルク入り紅茶は、二人を見ていると私もついつい飲みたくなる。いつもは日本茶ばかり飲んでいるのに、不思議なものです。
二人が来てくれていなかったら、私のメンタルは今頃どんなことになっていただろうか。
二人が入れてくれる温かいミルク入り紅茶を飲むとき、ああ、私は幸せだ、とつくづく思います。

お義父さんもお義母さんも、強い人
私は二人目を産んですぐに日本へ移住しましたが、ホルモンのせいか歳のせいか、はたまた環境の変化のせいか、とても怒りっぽくなりました。
些細なことで頭にカッと血が上ることが増え、それを態度に出してしまう私。特に子供や夫に対してはもう感情全部を子供のように全部さらけ出してしまう始末で、自分でもいけないなぁと、自覚しています。
私の義母と義父が来てからは、私もそんな自分を出さないように気を付けていますが、それでも時折、いらいらが止まりません。
そんな私を見ても、二人は私をそっとしておいてくれます。
介入することもなく、諭すこともなく。
じっと静かに嵐が過ぎ去るのを待ち、その後はいつものように接してくれます。
私はそんな二人を、とても強く、優しい人だと思います。
私は結構何にでも口に出して、よかれと思って相手に話しかけてしまう人なので、「何も言わずに見守る」ということを、とても難しく感じるんです。
それができる二人を、私はとても尊敬しています。
言い合いはケルビー家の風物詩

ドラマの中では、よくマッサンと早苗が言い合いをしていました。この母と息子の関係性は、実はうちとよく似ています。
今でも忘れないのが、私が初めてジョンの両親にあいさつした日のこと。
エディンバラ市内で一緒に夕食をした後、歩いて私たちのアパートへ帰っていると、何やらジョンとお義母さんが言い合いを始めました。
当時はまだスコットランド訛りに慣れていなくて(いや、今も苦戦していますが笑)、二人の話の内容がよく理解できなかった私。そんな私から見ても、明らかに二人は言い合いしていました。
「こ、これは…。何かしたほうがいいんじゃなかろうか…?」
そんな私の心配をよそに、鼻歌を歌いながら歩くお義父さん。
言い合いしている二人が見えてないのか?くらいの勢いで、私にジョークらしい話を飛ばしてきます。もちろん訛りが強くてさっぱりわかりません。
こういう構図は、今や我が家の風物詩となっています。
先日も、お義母さんが作ってくれた食事の出来について、ジョンが「意見」を述べ始めました。
(ああ、始まった)
私は瞬間的にそう思ったのですが、その夜二人が大喧嘩する夢を見るくらい、私はこの二人の言い合い、いや、やりとりが好きなのかもしれません。
その大喧嘩の夢の中にお義父さんが出てこないというのも、私の中ではもう定番です。
最後に(写真:搬入される設備)

スコットランドの家族にそばで見守ってもらいながら醸造所の準備ができるなんて、私たちは本当にラッキーです。
ジョンはきっと、二人が高知を発つ最後の日まで、面と向かって「ありがとう」が言えない人。
その分のありがとうを、残りの日々も一緒にミルク入り紅茶を飲みながら、私が伝えていきたいと思います。
Life is more fun if you are BRAVE&BRAW!
最高の一杯を目指して。
日高村より。






